普通に500年前の家に住むことによる資産的恩恵
先日、こんな記事を読みました。
私の日本の実家は、建てたときに耐久年数40年といって建築されたそうです。
あと5年でその日がやってきますが、幸いまだもう少し先まで持ちそうです。
でもどう考えても、100年はもたないでしょう。
ここは先日ローマへ旅行した際にAirbnbで民泊したお宅。
ローマの中心地、カンポ・デイ・フィオーリから100メートルのこのお宅は、1600年のバロック時代初期に建てられたということです。
部屋こそ改装されているものの、その建築から400年前の物件だということは見て取れました。
分厚い壁、いかつい暖炉、石畳の廊下、細い窓、木葺の天井…
伝統的に石の文化のヨーロッパは、建物の耐久年数が驚くほど長いです。
木造建築が伝統の日本とはそのコンセプトからして違っているので、比較することは意味がありませんし、それぞれの国にあった素材と伝統と考え方があって当然です。
特に外国人から日本の古い民家はとても人気があって、移住したい憧れの限界集落も沢山ありますよね。
それでも、認めざるをえないのは、日本の特に現代の住居は、耐久性が低くて資産価値の減少スピードから言うと、ヨーロッパの石の家とは比較にならないコスパの悪さがあることは誰の目にも明らかなのではないでしょうか。
現代イタリアの住宅事情
イタリアでは家の価格は決して安くないです。
地方都市のワンルームマンションでも、2000万円くらいはします。
私の住む人口10万人の地方都市でも2LDKの購入価格は4000万円前後です。
東京とあまり変わらないくらいだと思います。
記事の続きはこの下
しかし、イタリアの家は100年たっても資産価値が減りません。
中古でも新築でもほぼ同一価格で売買されていて、500年前の家なら、中が全面的に改装されていれば(水道管ガス管の取替も含め)新築物件と同様とみなされます。
更に古い家のほうが堅牢な作りで、半永久的に持つと考えられており、歴史的建物のバリューも付け加わり、また旧市街に立地するバリューも高く、郊外の新築物件より高額です。
資産としての不動産で生活する人々
イタリアでは失業率が高く、税圧も高く大変な経済状況ですが、それでも週末はレストランには人が溢れ、皆バカンスにも行っています。
楽しむことにかけては優先順位が高いイタリア人ですが、実はイタリアには働かなくても収入になる「資産」が山のようにあります。
そのひとつが不動産。
殆どのイタリア人は不動産を一つ以上持っています。自分で購入したもの、親から受け継いだもの、祖先から受け継いだ物…平均して1つから3つ4つの不動産を所有しているごく普通の一般市民は珍しくありません。
それを賃貸に出したり売却したりして生活の糧にしている人は、かなり多いのです。
これもイタリアでは不動産が数百年も持つために出来ることで、その遺産を受け継いだ子どもたちは、働かずとも一生食べるに困らないくらいの資産を生まれたときに、すでに持っているのです。
それを考えると、日本の家も新築で数千万するのに、数十年で価値がゼロになり、子孫の手には渡らないことを考えると、本当にもったいないことだな、と思わざるをえません。
あなたはどう思われますか?