幻の淡水魚、サルメリーノのカルパッチョ
低カロリーで至極美味。初春のグルメ
ピザにパスタ…リゾットにフォカッチャ…イタリアといえば、炭水化物中心の美味しい一皿目で溢れています。
またワインやチーズ、ハムやデザートも見逃せないので、ついつい食べ過ぎて高カロリーになってしましますね。
せっかくのイタリア旅行だから美味しいものが食べたいけど、毎食これではカロリーが気になる…。
そんなときには、前菜であるアンティパストや、魚や肉料理と付け合せの野菜だけの二皿目だけを注文すればよいかもしれません。
『アルプスの小鮭』のカルパッチョ
お肉やお魚がメインの、二皿目、セコンド・ピアットのなかで今日ご紹介したい幻の一皿が、このSalmerino Alpino (サルメリーノ・アルピーノ『アルプスの小鮭』)のカルパッチョ。
捕獲できるアルプスの湖はこんなところ。うちから車で30分ほどの距離です。
魚釣りはしなくても、ハイキングだけでもとっても素敵でリラックスな所…❤
雪解け水がクリスタルのごとく澄んでいます。
自然のサルメリーノは、淡水魚なのに生臭さがなく、白にピンク色が混じった美しい色合い。
プランクトンの少ない冷たいアルプスの雪解け水で育ったゆえ、身の締って、デリケートな味わいです(少し鯛の刺身に似た食感かな?)。
この魚はこの北イタリア地域でふんだんに養殖されているサケ科の魚トロータの亜種。
海鮮魚の取れない山間のアルプス地域で伝統的に食されてきた、鮭科のマスに類似した淡水魚です(学名Salvelinus alpinus)。
皇帝御用達だったアルプスの幻の魚
自然のサルメリーノ・アルピーノ は、一般的に流通している類似する魚、養殖マス(養殖トロータ)とは味と食感の点で全く異なっています。
普通のトロータは、淡水魚特有の若干の泥臭さと、身の締りもそんなには良くありません。生で食べることはありません。
しかし、アルプスの小鮭、サルメリーノ・アルピーノ は淡水魚なのに泥臭さがなく、身の締りがよく、プリッとして歯ごたえがシコシコしているのです。
食べ方は、生でカルパッチョや、スモークしたものを薄切りにします。
私の住むトレンティーノ・アルト・アディジェと、ミラノ県のあるロンバルディア州の山間部で捕れる サルメリーノ・アルピーノ は、オーストリアのハプスブルグ帝国皇帝の御用達でした。昔からそれくらい特別な魚だったんですね。
美味なのに養殖ができず、なかなか釣れない釣り人泣かせのこの魚は、季節でもめったにレストランのメニューに乗らない、限定品。
低カロリーグルメの代表格、幻の サルメリーノ・アルピーノ のカルパッチョ。
初春のちょうどこれからが旬となりますので、もし万が一、北イタリア旅行で目にした場合は是非試してみて欲しい一皿です。