先日告知していた初学者向きチェンバロコースが無事終了しました!
大人子供合わせて14名の方が参加してくださいました。
オーガナイズしてくださったオクサナ先生、どうもありがとうございました。
チェンバロを囲んで、ほっこりした時を過ごすことが出来、感謝です!
今回取り上げた教材は、イタリアの音楽院のピアノ初級コースで用いられている、「バッハの23の曲集」という本です。
イタリア以外ではこの本は知られていないかと思います。
ここには「12の小さなプレリュードと小さなフーガ」、「6の小さなプレリュード」、「フランス組曲」から、適宜曲が選ばれ掲載されています。
「12の小さなプレリュード」は19世紀に教育用教材として、バッハとバッハ以外の作曲家による、1720年代が作曲年代とみられる鍵盤音楽を適宜編纂されたものです。
その後、フェルッチョ・ブゾーニが「12の小さなプレリュードと6の小さなプレリュード」をセットとして扱い、バッハゲゼルシャフトのリストの中にも組み込まれたので、バッハの曲集という扱いになっていきました。
もとはと言えば、様々な小曲を、ピアノ初学者用にあちこちから寄せ集めてきた曲集なのです。
それをさらに20世紀になって、ムジェリーニ氏が編纂し、3つの曲集から、適宜23の曲が選ばれて、現在音楽院で子どもたちが課題本として使うこととなっているのです。
そんなわけで、ピアノ教育の現場で親しみのある本、ということでこの教材を用い、
主には、ピアノで弾いた場合とチェンバロで弾いた場合の演奏法の違いについてお話、実演させていただきました。
楽器の違いが演奏法の違いにどう現れるのか、また当時と現在の譜面の読み方の違いについてもお話させていただきました。
また、メヌエットを素材として、繰り返し部における変装と装飾の可能性についてお話し、子どもたちのクリエイティブな好奇心を触発するものになるよう心がけました。
結果、皆に喜んでいただけ、チェンバロを初めて見た人、聞いた人にも興味深いよう、楽器の中のメカニズムについてもお話させていただきました。
これもオクサナ先生が日頃から生徒さん親御さんと関係を築いておられるからだな、彼女の日頃の絶え間ない活動に敬意と謝意を表さざるをえません。
オクサナ先生、どうもありがとうございました!