バッハのチェンバロ曲(ピアノ予科生向き)コース・プログラム
来る2月11日に、ピアノ予科生向けのバッハの鍵盤楽曲の講習会をする運びとなりました。
これは数年前から時々コラボレーションしている、Associazione Giardino delle Arti(芸術の庭協会)でピアノ教師をしているオクサナ・トゥヴェルドクレヴォヴァ先生主催の、『チェンバロに触れよう!』企画として、ピアノ初学者向きの教養コースの一部として開催されるものです。
今回の参加者は、ピアノを本格的に勉強はじめて2年から5年目の小中学生が対象ですので、この年代の生徒さんたちが関心を持って取り組めるプログラムを考案しました。
やはり聴いたことのない曲よりも、自分たちも習った曲や今習っている曲をチェンバロで弾くとどうなるか、という観点が興味を引きやすいかと思い、今回はこちらの曲集を取り上げることにしました。
『ピアノ用・バッハの23の易しい曲集』リコルディ社出版
(Ed. Ricordi: "Bach, 23 Pezzi Facili per Pianoforte")
こちらの曲集は、イタリアの音楽院のピアノ科予科生必須となっている曲集で、バッハの様々な曲集から、プレリュードと舞踊曲を中心とした23の曲が寄せ集められています。
バッハの『インヴェンションとシンフォニア』に入る前に取り組む曲集として、『アンナ・マッダレーナの為の』と並んでよく用いられています。
舞踊曲と装飾音
この中から、メヌエットやブレーを中心とした舞踊曲を数曲選曲し、主に繰返部で使用できる様々な装飾音について、色々な可能性を示しながら説明と実演をしたいと思っています。
このことによって、生徒さんが、今の時点では譜面通りに弾くことが最終目的であっても、作曲当時本来の音楽では、当時の作曲の知識を元に、もっと自由な即興性をもって表現し楽しめる音楽であることを示したいと思っています。
強弱とアゴーギク
この曲集には、即興的要素を含む多くのプレリュードが取り上げられています。
ピアノ学習者向きに、強弱、クレシェンドデクレシェンド表記がありますが、チェンバロでは強弱によるクレシェンドデクレシェンドはありませんので、アゴーギクによる表現が可能になります。
その点を実演と説明を通して、開帳することにより、強弱のない楽器の音楽表現と、速度を変化させることにより表現できるディレクション、すなわち指揮者としてのチェンバロ奏者の役割を示したいと思っています。
この講習会は2月11日にトレントで開かれた後、子供を含め一般向けにも行う予定です。
*レッスンの様子はYoutube動画にて配信予定です。
以下のYoutubeチャンネルをご登録ください!
https://www.youtube.com/channel/UCj4lINWxqd1F8ex6usXexOw
https://www.youtube.com/user/louisgiuliano2012