ヴェネチア、ミラノ、ヴェローナ…主要な北イタリアの都市を回った後は、小都市を観光!その1:ボルツァーノ(ボーツェン)
ボルツァーノはイタリア最北端のトレンティーノ・アルト・アディジェ州、アルト・アディジェ県の県庁所在地です。
(ボルツァーノのクリスマス市の様子)
雄大なイタリアアルプスの真っ只中にあり、この街から電車で15分ほど走ると、そこには世界遺産のドロミテ山脈がそびえています。
ボルツァーノの歴史
ボルツァーノが大きく発展したのは、20世紀になってから。
エトルリア人の末裔が紀元前に入植した後、ローマ人の支配を経て、バイエルン人が入植する7世紀以降、ボルツァーノはドイツ系住民が居住する貿易の中継基地でした。
ドイツとヴェネチアを結ぶ貿易の中間地点として、重要な地位を占めていました。
20世紀前半の人口は、ドイツ系住民が約2万人、イタリア系住民が約1000人という、小規模な街でした。
1919年の、第一次世界大戦の休戦協定により、ボルツァーノはオーストリアよりイタリアに割譲されました。
ムッソリーニは、ボルツァーノの工業化を促進し、イタリアのヴェネト州を中心とする地域からボルツァーノへの移住を促しました。
それにより人口増加と工業化が促進され、現在の人口は約10万人。
そのうち7割の約7万人がイタリア系で、3万人がドイツ系住民です。
伊アルプスの観光は、ヨーロッパでも屈指の規模とクオリティ
一歩ボルツァーノ市を出てみると、そこには雄大なドロミテ山脈が広がっています。
ドロミテ山脈を中心とする、アルト・アディジェ県の住民の大半は、今もドイツ系住民です。
また、アルプスには、少数山岳民族のラディン人が住んでおり、スキーや山岳スポーツの観光業でヨーロッパでもハイレベルのサービスを中心とする観光業で沢山の観光客を呼び込んでいます。
地域にはミシュランで高評価を得た創作料理のレストランがあり、ガンベロロッソで毎年最高評価を得ているワイナリーがあり、イタリアの中にありながら、ドイツ人気質のきめ細やかさと正確性、律儀さと質実剛健を兼ね備えた土地柄。
場所的にイタリアとオーストリアの中間地点にあるので、ヴェネチア、ヴェローナから、オーストリア・ドイツ方面に抜ける前に、1,2泊して街と山をめぐるのも、きっと充実した旅行体験になると思います。