イタリアの音楽院生活の様子
イタリアの音楽院は、旧制度から10年ほど前から大学制になり、3年から7年で卒業できる学部と、2年から6年で卒業できる修士課程とに別れています。
最低年限の3年もしくは2年で卒業しようという場合、かなり忙しいです。
大学制ですので、単位制です。制度的には日本の大学と似ているといえますが、特別なのはそこが音大だということ。
学部の場合は特に、専門外の教科が山積みです。音楽史、音楽理論、作曲理論、コーラス、副科で週4日一杯取られます。
さらに室内楽と専門のレッスンがあり、家でも練習しなければなりません。
私は週5日音楽院へ授業へ行き、夕食後に学科の宿題、午前中の空き時間と土日に楽器の練習をしていました。
さらに、学期末の6月には試験と発表会が毎日のように入りますので、まさに寝る間を惜しむと行った感じで、バイトなどはしている暇はありません。
ナイトクラブなどで演奏のバイトをしている学生は、最低年限で終われませんので、1年もしくは2年ほど長く在籍しています。
かなり忙しくて充実した大学生活
音楽院の生活は充実しているといえます。
レッスンでは毎回新しいことが学べますし、その内容はかなり深いものにも及びます。
多くの新曲が学べます。
そして室内楽のクラスでは室内楽グループを結成して、優秀なグループはコンサート活動も待っています。
大学内で斡旋される学生アルバイト
アルバイトは音楽院の中で用意されています。
例えば、歌や単旋律楽器の伴奏の仕事、学内コンサートのオーガナイズの仕事、ビデオやオーディオ編集の仕事、外国人留学生を世話する仕事、事務室の雑用、等々です。
時給は8ユーロから10ユーロ、最大時間数は年150時間です。
私はと言えば、最低年限で卒業しましたので、勉強に忙しくて学生アルバイトは出来ませんでした。もうゆっくりやる、と決めてる学生が、しているケースが多かったり、10時間ほどなどと時間をかなり少なくして働いていることも多いようです。
基本、イタリアは若者の就職難ですので、こういった状況にもかかわらず、音楽院の学生アルバイトには人が殺到し、そこでも順位表が発表され、上位の人から順に仕事があてがわれます。