イタリアの音楽院入学に必要な学歴は?
イタリアの音楽院は、もともと10年制の職業専門学校から出発しています。
12歳頃に入学し、22歳で卒業する、というのが伝統的な音楽院のシステムでした。
現在大学制になったとはいうものの、旧システムの名残が色濃く残っています。
現在では12歳頃に、プレ・アカデミコという、アカデミックな教育以前の準備期間コースが設けられています。
準備コースに入るのは中学生です。そのコースは17歳頃まで続きます。17歳頃、というのは、生徒によって飛び級できる子もいれば、落第する子もいるからです。
イタリアでは落第は珍しくなく、卒業までに1年ないし数年多くかかる子も割り珍しくなく、います。
それゆえ、イタリアの音楽院に必要な学歴は中学入学資格、ということになりますが、アカデミックコース、すなわち日本で言うところの音大に入るためには、高校卒業資格が必要です。
日本の高校卒業資格証明書を事務室から取り寄せたら、それを法定翻訳家に送りイタリア語に翻訳してもらいます。それをイタリア大使館で証明してもらうのです(詳しい手続きはお近くのイタリア領事館へお尋ねください)。
それにより、日本で高校を卒業した、ということが証明されますので、それをイタリアの音楽院の事務所に提出します。
事務手続きの詳細に関してはこちらのページの終わりに書いてあります。
学費はどれくらい?
イタリアの大学制音楽院の学費は、学部で年に約10万円程度です。600ユーロの学費に大学システムの費用130ユーロ程度、その他もろもろ試験料等が全部で100ユーロくらいかかります。それでも10万円でお釣りが来る感じです。
修士課程では学費が800ユーロ、その他諸々で年14,5万でお釣りが来る程度。日本と比べて比較にならないほどお得です。
イタリアの生活費は決して安くありませんので、注意しましょう。
学生寮に入れればラッキーです。学生寮の家賃は月150ユーロ程度です。
一般のアパートだと、ワンルームマンションで通常月400−500ユーロは最低かかります。
他の学生と一緒に間借りだと月200ユーロくらい。
光熱費と食費も入れると、一人暮らしの一月の生活費は、月15万円はかかります。
学校は忙しいですので、バイトが出来ないことを考えると、留学には十分な貯金もしくは財政支援が必要です。