2700年のイタリアの歴史
イタリアの歴史はまず一口では語れないほどの長い長い2700年もの歴史があります。イタリアに点在する豊富な文化財は、その長い歴史の元で生み出され続けてきたものです。
まず、紀元前8世紀にローマ王国が誕生してから、様々な困難や危機を乗り越えて共和国となり、周りの国を併合しながら強大な国となっていきました。
ローマ人は元々戦争に長けていたため周りの国との戦争に勝ち続けました。そしてもう一つの得意分野である土木建築を同時に活かしながら、自国のテリトリーを拡大していったのです。
紀元前50年頃には、北はドイツ、南はアフリカサハラ以北、東はシリア、西はドイツまで領土を拡大していました。
しかし、どんなに栄光ある王国、威厳ある帝国となっても、ヨーロッパの歴史で良くあるのが他民族の侵攻です。
ローマ帝国はゲルマン人の侵入などによって、徐々に国力が小さくなっていき、最終的には西と東に分裂してしまいます。
東のローマ帝国、西のローマ帝国に分裂した後は西と東でかなり違った歴史をたどります。
東のローマ帝国はイスラムやスラブ、ギリシア系となっていきながらも1000年以上も続きました。しかし、西はというと、さらに分裂を繰り返し滅んでしまいます。
その分裂している最中にフランク王国という王国が出来上がり、それがさらに分裂してできたのが現在のフランス・ドイツ・イタリアの始まりです。
そんな歴史が続いていく中で、イタリアはヨーロッパの中心から外れていくわけなのですが、唯一、イタリアのキリスト教会だけは威光を放っていました。
それは現在のローマのバチカンに総拠点を持つ、カトリック・キリスト教会は、ヨーロッパの文化的中心であり続けています。強大だったイタリアが分裂していく中でも、キリスト教会だけは政治的な力を持ち続けることが出来たのです。
小国分裂状態で混乱の続いたイタリアは、ルネッサンス文化の繁栄などで文化や商業を成功させることができたのですが、さすがはヨーロッパ。
そこにフランスが攻め入り、スペインが攻め入り、収束間近のところでまたフランスのナポレオンが攻め入りと、政治は混乱に混乱を重ねました。
そしてやっと100年ほど前、2700年の歴史で言えばほんのつい最近にイタリアとして統一されたのです。