昨年2015年の夏、7月にトレンティーノの郊外、スマラーノでバイオリンとのアンサンブルコンサートをさせていただいた。
バイオリンとチェンバロのアンサンブルグループ 公式サイト
スマラーノは標高約1000メートルの高地にある。
県庁のあるトレント市からは車で約40分ほどの場所だ。
ここはシンプルで素朴な避暑地として、夏の間中避暑に訪れる人で賑わう。
それ以外の時期は、林檎畑が延々と広がる農業地帯だ。
コンサートをさせていただいたのは、この村にある国際オルガンアカデミー。小さいながらも設備の整ったホールとオルガン、チェンバロが数台とフォルテピアノがある。
ホールの上階には音楽学校があり、そこにはクラヴィコートが数台と、小型のオルガン、さらに数台のチェンバロを揃えている。
ここでは毎年夏に夏期講習会が開かれており、世界中から20名弱のオルガンやチェンバロの学生が訪れる。
学生一人ひとりに自習用の楽器が行き渡るように計画されていて、涼しい高地で、シンプルなホテルに宿泊しながら、仲間と過ごす2週間は思い出深いものとなるだろう。
毎日夜にはコンサートが企画され、スマラーノだけではなく、イタリア国内の歴史的なオルガンを使用したコンサートへの遠足行事も含まれている。
学生は主にスウェーデンやドイツからが多いが、イタリア国内から、またニュージーランドや中国からの参加もあり、英語が共通語となる。
講師陣も国際的な顔ぶれで、イタリア、スウェーデン、アメリカから、バロック及びルネサンス・オルガンの権威を招いている。