【食のマイノリティー】
最近イタリアでは食のマイノリティーもクローズアップされてきています。
すなわち、ヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリー、乳製品フリー、等の食べるものを選択する自由と権利をリスペクトしたレストランです。
ヴィーガンとは動物を利用した食物を一切取らない人。肉ばかりでなく、魚、卵、乳製品を一切食べない人です。
その中にはクルディスタという、火を通した食事を一切しない人、パレオディエタという、石器時代の食事を模倣する人等々がいます。
【グルテン及び乳製品不耐性】
イタリアでは最近食物アレルギーが最近特に増えてきており、その中でもグルテンアレルギーと乳製品アレルギーが大きな健康被害となっています。
それを受けて、このような食マイノリティー向けのレストランもイタリア各地に増えてきているのです。
そんな私もグルテンと乳製品不耐性が見つかり、パン、ピザ、パスタ等一切の小麦製品を食べるのをやめました。あとは乳製品もなるべく取らないようにしています。
グルテン不耐性の主な症状は、グルテンを含む食べ物を摂取した後の疲労感と、腹部膨満です。小麦製品を食べなくなってから、疲れたり怠くなったりすることがなくなり、太ったと思っていた腹部も実は膨満で、体調がかなり改善しました。
ワキガの臭いも実は食品不耐性が原因?
また、乳製品不耐性がある人は、腸で消化しきれない乳製品の毒素が血液にめぐってワキ臭の原因になるということです。なのでワキ臭は乳製品を取らないことによって治ります。
また、チーズのカゼインが痩せるのを阻止する働きがあるとかで、ダイエットの敵とのこと。
この検査はイタリアの各薬局で、Biotecという名称で(他の類似品もある)髪の毛と皮膚の表面の細胞を採取して行うことが出来ます。これは通常のアレルギー検査とは違って、科学的には証明されないが、経験則を取り入れたホメオパシー的考えの延長線上にあるテストとのこと。髪の毛と皮膚の表面の細胞から、体質を判定して合わない食べ物を特定し、排除していくのです。
グルテン、乳製品不耐性の他にも、肉不耐性、特定の野菜不耐性等色々な不耐性があります。
画像)ゆで野菜とグルテンフリーのハム類。
【食事と健康に対する関心の高まりと、食物産業に対する批判】
ヴィーガンは動物愛護の観点と人間の本来の食生活の回復の両立を目指している人たちです。
彼らによれば、酪農農業が当然としていることは、非倫理的であるということです。
例えば、仔牛が生まれると仔牛を殺して肉にして、仔牛が飲むはずだった牛の母親の乳を、人間の大人が飲んでいる、ということはおかしくないかと問題提起しています。
また、グルテン不耐性も遺伝子組換え小麦が出まわるようになってから、劇的に増えました。
画像:ズッキーニとじゃがいものポタージュとグルテンフリーのクラッカー。
食をクローズアップしたミラノの万博も含め、人口爆発と食品産業の未来は、食マイノリティーの運動とも無関係ではいられません。
イタリアの伝統的食文化の崩壊につながるとも言えるこの運動は、若い人たちに特に支持されてきており、これからの潮流となっていくかもしれませんね。